半導体用語集
高性能多層配線
英語表記:high performance multi-level interconnections
シリコン大規模集積回路(LSI: Large Scaled Integrated circuits)に用いられる金属薄膜配線は、MOS (Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタで構成された論理回路(ゲート)内および回路間の接続に使用される。通常、配線材料としてはAl合金薄膜(0.5wt%Cu添加)が用いられ、トランジスタ寸法の微細化による高性能化やトランジスタ数の増加による高集積化・高機能化に伴って、1層の配線だけでは接続できないために、配線間をビアホールを介して相互接続 (多層配線化)するのが一般的である。0.18μm世代を例にとると、DRAM (Dynamic Random Access Memory) に代表されるメモリデバイスではせいぜい2層配線であるが、マイクロプロセッサに代表される動作周波数が数100MHzに達するような高性能ロジックデバイスでは6層配線が用いられている。多層化により、チップ面積が縮小されるばかりか、配線長も短くなるために配線を通した電気信号の伝播遅延時間の短縮化も期待できるためである。しかし、この伝播遅延時間は、配線抵抗(R)と配線容量(c)との積で決まるため、多層化だけでなくこれらを同時に低減化することも必要である。 特に配線容量については、LSI性能のみならす消費電力やクロストークノイズにも大きな影響を及ぼす。したがって、前者については材料を比抵抗がAlにくらべて40%程度低いCuに変えたり、後者については配線層間および配線間絶縁膜の比誘電率を原子密度や電子分極率が低い、いわゆる低誘電率膜に変えることが有効である。さらに、こうした材料プロセス的なアプローチだけでなく、長距離配線の長さを分割するためのリピータと呼ばれる信号中継器の挿入や、容量性負荷を高速に駆動するのに適したカスケードドライバの組み込みなど、回路設計面からの高速化手法も重要である。さらに、今後、 LSIとしての最大保証温度の上昇やGHz以上の高周波動作に伴って、金属材科の本質的な性質である温度係数や表皮効果による配線抵抗の増大が問題となるため、これらの影響を考慮した配線構造設計も重要となる。
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