半導体用語集

魔鏡トポグラフィ

英語表記:magic mirror topography

 鏡のような平坦な面に平行光線を入射させると、遠くのスクリーンに投影された反射光には明暗のコントラストが観察される。これは鏡面にわずかな凹面があると、反射した光は集光されて明るく投影され、一方、凸面の場合には反射光は広がって、投影面は暗く観察される。このように鏡面の微妙な凹凸は反射光強度の二次元的な変動として観察され、凹凸が隣接していると明暗は強調される。古来、その裏面の像が厚い金属を透かして投影されるという鏡があり、魔鏡と呼ばれたが、この凹凸評価法はその原理を利用したもので、魔鏡トポグラフィと呼ばれる。
 今日製品化されている表面欠陥検査装置は光源としてHe-Neレーザ単色光を用い、レンズで平行光線にして試料に入射させる。反射光はフィルムに直接焼きつけたり、高解像度のCCDカメラで観察し、高解像度CRTでモニタする。検査エリアは試料全面一括はもちろん、拡大した領域も表示できる。最近の装置では自動判定用画像処理ソフトもついており、シリコンウェハでは300mmにも対応できている。
 この評価法の利点は、(1)試料に何ら手を加えずに測定する、(2)非破壊である、(3)非接触である、(4)操作は簡単である、(5)リアルタイムかつオンラインで簡単に活用できる、などである。
 具体的な測定例をいくつか示す。シリコンウェハの切断プロセスで切断刃によるダメージ層がある場合は明瞭に観察される。ゲッタリングでは現在でも裏面にSiO₂などの微粒子を高圧で噴射させて歪層を形成し、ゲッタリング源として使用しているが、このバックサイドダメージは凹部を形成し、雲のような明部として観察される。ラッピングプロセスでは研磨痕跡が観察される。
 ポリッシングプロセスでは通常プレートにウェハをワックスで接着するが、その間に異物や塵埃、凹凸などがあると、ポリッシュウェハにはえくぼ(dimple)が目視で見られるが、魔鏡トポグラフでは反射鏡強度が強く観察される。熱処理プロセスで導入されるスリップもよく観察される。
 貼り合わせSOIでは、SiO₂層とSi基板の接着界面に気泡が含まれることがあり、良好な貼り合わせSOIの作成に障害になる。この気泡の観察や断面構造の評価にも有効である。
 通常のX線トポグラフィでは、ウェハ表面だけの情報をえることは簡単でないし、装置も高価である。また選択エッチング法は簡便であるが、破壊検査である。それらに比べて魔鏡トポグラフは、凹凸が5nmレベルの表面欠陥を二次元像として簡便に測定でき、シリコンウェハのみならず、液晶ガラス板やハードディスク基板などにもよく利用されている。

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