半導体用語集
1/ƒノイズ
英語表記:1/ƒ noise
周波数の増加に伴いスペクトル強度が減少するような雑音のうち、スペクトル強度が周波数に反比例する雑音。フリッカ(flicker)雑音とも呼ばれる。半導体デバイスに関連するものとしては、MOS構造における半導体表面の酸化物中のトラップ準位に起因するものなどがあげられる。すなわち、いろいろな時定数を持つローレンツ型スペクトルに、各時定数の逆数の重みづけをして重ね合わせると1/ƒ型のスペクトルがえられる。トラップ準位は半導体表面や接合界面に多く存在するため、一般に1/ƒノイズは表面・界面に起因すると考えられている。実際、電界効果型トランジスタなど横型デバイスは表面・界面の影響を受けやすく、バイポーラトランジスタなど縦型デバイスに比較して1/ƒノイズレベルは高い。発振器の位相雑音を低減するには、1/ƒノイズレベルの低いトランジスタを使用する必要がある。なお、1/ƒノイズの起源に関しては、半導体表面のトラップ準位によるキャリア密度nのゆらぎとは別に、半導体バルクでのキャリアの格子散乱による移動度µのゆらぎとする仮説も提案されている。キャリア密度nと移動度µの積は電気伝導率σに比例するので、いずれにしても1/ƒノイズの起源は電気伝導率σのゆらぎであるというのが現在受け入れられている認識である。
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