半導体用語集

CD-ROM、CD-R、CD-R/W

英語表記:Compact Disc-Read Only Memory, CD-Recordable, CD-Re-Writable

 CD-ROMは、あらかじめ情報を書きこんだ光ディスク媒体から、レーザ光(DVDと異なり780nmの波長を使用)を利用して情報を読み取る、再生専用の記憶装置である。この装置は記録密度が高く、容量が大きい(650MB)上、記録媒体がフロッピーディスク同様交換が可能な点が特徴である。また、光ディスク媒体は、プレスにより製造されるため、大量生産が容易で非常に価格が安いうえ、持ち運びが自由にできるという利点から、情報を大量に配付する用途には適している。
 CD-ROMは、音楽再生用に開発されたコンパクトディスク(CD-DA)をベースに、コンピュータ用データの保存に適するよう、書き込まれるデジタルデータに対するフォーマットを一部修正して、情報を読み取る場合の情報の信頼性をさらに向上させている。このため、音楽用のCD-DAの情報の蓄積容量(780MB)に対し、容量が少なくなった(650MB)が、ディスクの形状や基本的な仕様は同一である。このCD-ROMの形状には、直径の違いにより2種類の光ディスクがあり、直径12cmのもので約650Mバイト、8cmのもので約200Mバイトの記録容量を持つ。
 この光ディスクの基本的な構造は、保護膜、情報が書き込まれた記録層(アルミ層)、基板から構成され、情報はディスクの中心から外側に向かって渦巻状に記録されている。
 このCD-ROM、CD-DAのファミリーは、その機能から“再生専用型”(CD-DA、CD-ROM)と、“記録可能型”に分けられ、さらにこの“記録可能型”は、“追記型”の“CD-R”と“書き換え可能型”の“CD-RW”の2つに分けられる(追記型に関しては、“WORM”(=Write Once Read Many)と呼ばれることもある)。“追記型”は、一度書き込んだ情報を消去・書き換えができないものであり、“書き換え可能型”は、一度書き込んだ情報を消去し、同じ領域に新たな情報を書き込めるため、繰り返して使用可能である。それぞれの簡単な原理は以下のようになっている。
(1)再生専用型(CD-DA、CD-ROM):ディスクの記録層(アルミ層)に“ピット”と呼ばれるミクロン単位のくぼみがあらかじめ書き込まれている。これにレーザ光を当て、反射してきた光の変化を読み取り、情報に変換する。
(2)追記型(CD-R):ディスクの記録層が色素層と反射層からなり、この色素層にレーザの熱で孔をあけで情報を記録する。再生時にはこの孔で反射したレーザ光の変化を読み取り、情報に変換する。ただし、一度孔をあけた領域に上書きすることはできないため、情報を追加する場合は未使用領域に書き込んでいくしかない。書き込んだ情報を書き換えることができないため、保存用文書ファイルヘの応用にも適している。
(3)書き換え可能型(CD-R/W):ディスクの記録層に相変化膜を利用し、この層のレーザ光が当たった部分がレーザの熱により結晶状態から非結晶状態へ、またその逆へと相変化を生じることで情報を記録する。再生時には記録層の結晶部と非結晶部の反射率が異なることを利用し、反射したレーザ光の変化を読み取り、情報に変換する。なお、この相変化方式はレーザ光のみで記録再生が可能だが、記録層を物理的に変化させるため、書き換え可能な回数はMOに比べて少ない。
 なお、これらのCD-ROMのファミリーの規格は、表紙の色で区別されており、すべての規格の基本となる“レッドブック”(主に“CD-DA"を規定)、“CD-ROM”を規定した“イエローブック”、“CD-R”や“CD-R/W”を規定した“オレンジブック”などがある。

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