半導体用語集

IPAべーパ乾燥

英語表記:IPA Vapor/Dry

ウェハを洗浄処理するウェハを洗浄処理する工程はドライイン・ドライアウトで行われる。この意味は、装置間のウェハ搬送においてウェハが乾燥した状態で搬送されることをいう。ウェット洗浄においても同様で、ドライ状態で装置内に搬入され、ドライ状態で搬出される。ウェハの洗浄は薬液など液体を使用するため、最終的にウェハを乾燥させる工程が必要となる。IPAべーパ乾燥法は濡れたウェハを乾燥させるウェハ乾燥工程で最も使用されている方法である。
IPAとは、イソプロピルアルコールの略で、分子式・・・(CH3) 2CHOH、引火点・・・11.7℃、発火点399℃以上の特性を持つ物質である。 このとおり、引火性物質のため取り扱いに細心の注意を払わなければならない。IPAは水に溶けやすく、かつ蒸発しやすい。その性質を用いて乾燥を行う。 蒸気乾燥槽 (IPA蒸気を溜める槽;石英や電解研磨したステンレス鋼を用いる) の下にIPAを加熱沸騰させるヒータがついている (IPAを槽に溜め、その中で加熱・沸騰させる)。また、その上にはIPA蒸気が外部へ漏れないように、IPAを冷却する冷却コイル (市水 (一般の水) を石英製のコイルに流し、上ってくるIPA蒸気を冷やし外部に漏れないようにする) が取りつけられている。また、IPAの蒸発損失を少なくするためウェハを出し入れする部分に自動開閉蓋が取りつけられている。ウェハを槽の中に入れた時、ウェハ上の水分にIPA Vaporが溶け込み、その溶液がウェハから流れ出すため、槽下部にはその溶液を受け取るためのreceiver (石英製の受け皿)が備えつけており、そこから溶液が外部に廃液(drain) される。ウェハを5分から10分間槽 に入れておき、その後ウェハを引き上げ、その状態で付着IPAを自然乾燥させる。IPA V/Dの利点・欠点は以下のとおり。
〈利点〉
(1)乾燥槽に機械的可動部がなく、可動部からの発塵などが発生しない。
(2)パターン形成、ウェハ表面上の性状による凹凸があっても乾燥可能、など。
〈欠点〉
(1)可燃性溶媒を蒸気化して使用するため、安全性に配慮した装置構成が必須。
(2)ウェハ上にIPAが残留する。有機物残留として、デバイスに悪影響を及ぼす、など。


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