半導体用語集

JPEGLSI

英語表記:JPEGLSI

ISO/IECJPEG(JointPhotographicCodingExpertsGroup)10918—1は,カラーファクシミリ,静止画電話/会議,印刷,写真伝送用のデータ圧縮を主眼に1994年に定められたカラー静止画像圧縮符号化の国際標準規格である。ISO/IEC10918—2(1995年標準化)は,10918—1に基づいた各種符号化方式への適合性を定めた規格である。10918—1に基づいた各種符号化方式には,離散コサイン変換(DCT:DiscreteCosineTransform)と呼ぶ不可逆変換を用いたDCT方式と,変換後も情報が失われず完全に元に戻せる可逆変換(Lossless)を用いた予測方式がある。DCT方式は,画像の8×8画素で表現されるブロックと呼ぶ単位で圧縮処理され,以下の2種類がある。つまり,ブロック単位に圧縮するBaseline方式および解像度が順に高くなるようにデータを圧縮するプログレッシブ方式である。JPEGはその方式で圧縮された画像ファイルの総称として呼ぶこともある。現在はコンピュータ,インターネット,デジタルスチルカメラ,スキャナやカラープリンタに至る幅広いシステムのカラー静止画像の標準的なフォーマット形式になっている。昨今のLSI技術の急速な進歩により,高速な演算処理が可能になったため,MotionJPEGと呼ばれる技術が登場している。MotionJPEGは,352×288画素サイズ(CIF)または640×480画素サイズ(VGA)のRGBまたはYUVと呼ぶカラー画像で動画になる30フレーム/秒(60フィールド/秒)またはそれ以上で表示処理する技術または装置を指す。JPEGは汎用CPUまたは専用のJPEGLSIを用いて画像処理するが,最近のMotionJPEGなどをターゲットにしたデジタルスチルカメラやカラープリンタなどの製品には専用LSIが用いられることが多い。理由は,JPEG処理を,たとえば,NEC製V83xV85xVR4000などの汎用CPUで実現し,現在市販各種専用MotionJPEBLSIとを比較した場合,処理可能な枚数のパフォーマンスは汎用CPUが10~50%程度,回路は0.4~7倍規模で,一般的には汎用CPUが専用LSIよりも大きくなり,かつ消費電力も通常汎用CPUの方がやや大きくなるからである。専用LSIはBaseline方式とLossless方式の双方がある。最近はASSP(ApplicationSpecificStandardProduct)だけでなく,ASIC(ApplicationSpecificIntegratedCircuit)の高集積化が進んだ結果IP(IntellectUalProperty)コアとして提供されるようになっている。専用JPEGLSIを用いたJPEGシステムは,画像変換用メモリ,制御用CPU,各種の入出カデバイスおよび画像転送用パスが接続される。この中で画像変換用メモリは,入力信号がビデオやカメラの場合に,入力信号を8×8画素単位のプロックデータ変換(プロック変換)用に使用する。JPEGBaseline方式は,離散コサイン変換(DCT)と呼ぶ変換の他に,量子化やハフマン符号化と呼ぶ工ントロピー符号化変換を行う。圧縮率の制御は,量子化テープルと呼ぶ量子化バラメータを変えることで行う。Baseline方式の専用JPEGLSIを例にとった場合,内部構成は主に,プロック変換メモリインタフェース部,制御用CPUインタフェース部,LSIを制御するシステムコントロール部分,離散コサイン/逆離散コサイン変換部分,量子化/逆量子化部分,ハフマン符号化/ハフマン復号化部分,データの入出力を管理するデータインタフェース部分で構成される。離散コサイン変換部分や量子化部分などの各処理部分間には,中間結果を一次的に保存するバッファメモリを配置することが多い。1998年現在で,内部動作周波数27~66MHz,画像処理能力36~70Mbyte/秒の高速版JPEGLSIがアナウンスされている。現在2000年にIEC/ISOでIS化予定のJPEG2000があり,Wavelet手法を基にした標準化が進められている。今後新たなJPEGLSIが開発されてゆくものと思われる。


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