半導体用語集
MCM(マルチチップモジュール)
英語表記:Multi Chip Module
複数のIC,LSIチップを同一配線基板上にパッケージを介さずに直接に実装,その後に一つのパッケージとして封止,一つの機能モジュールとする実装方式およびそのモジュール。
MCM化によりパッケージ内での信号の伝達遅れを少なくでき,またプリント基板上でのチップ間の信号遅れを最小限にして,システムの高速化,コンパクト化を実現できる。ハイブリッドICあるいはハイブリッドモジュールとの違いは,実はあまり明確ではないが,たとえば,Si密度(基板またはパッケージ内で占めるSiチップ面積比率)が30%を越えるモジュールを特にMCMとする見方もある。
MCMは,半導体チップを搭載する配線基板パッケージの種類と構造から,(1)MCM-L(Organic Laminates),(2)MCM-C(Cofired
ceramics),(3)MCM-D(Deposited dielectric)の3種類に分類される。
さらに,あるコア配線基板(Y)上に,別の種類の配線基板(X)を接続した構造のMCMを,特にMCM-X/Yと記述し,MCM-D/C(Deposited dielectric on Cofired ceramics),MCM-D/L(Deposited'dielectric on Organic Laminates),MCM-L/C(Organic Laminates on Cofired ceramics)と呼ぶことがある。特に,MCM-D/Cは,低誘電率の薄膜内に信号線,高誘電率のセラミック基材内に電源とグランド層を配し,両者をビアを介して接合した構造を有し,薄膜と厚膜(セラミックス)両者の長所を生かした,コストパフォーマンスに優れたMCMとして知られる。MCM-X/Yは,大分類的には,チップを搭載する側の配線基板材料(通常,より微細な配線基板)に従い,MCM-Xに属する。
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