半導体用語集

SBT系強誘電体

英語表記:SBT family ferroelectric

タンタル酸ストロンチウムビスマス(SrBi2Ta2O9)の略で、Bi層状構造を有し、ペロブスカイト構造とBi2O3が層状に重なり合った変形ペロブスカイト構造である。この材料が注目されている理由はいくつかあるが、まず良好な膜疲労特性が得られるという点である。PZT系強誘電体は一般的に用いられている電極材料であるPt上に成膜すると、分極反転の繰り返しにより強誘電性が低下してしまう欠点がある。それに対し、SBTは通常のPt電極上でも良好な膜疲労特性を示す。また、SBTの大きなメリットとして分極の飽和特性が優れている点があげられる。分極が飽和する電界が小さいため低電圧動作には有利になる。しかし、PZT系強誘電体より残留分極が小さい結晶構造が複雑なため表面の滑らかな膜がえられにくい。結晶化温度が高い(800℃前後)ことが課題である。Nbなどの添加や組成比をずらす(Bi比の減少)などにより残留分極値などの改善が可能である。


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