半導体用語集

TEOS -03 CVD

英語表記:TEOSー03 CVD

03とTEOS (Si (0C2H5) 4: Tetraethylorthosilicate)の熱反応により酸化膜を形成する熱CVD。 TEOSと 02の反応だけでは実用的な酸化膜をえるためには600℃から650℃の温度が必要であるが、02中に03を数%含ませることで400℃以下での成膜が可能となる。 減圧CVDを用いる場合と常圧CVDを用いる場合の二通りがあるが、常圧CVD法が一般的に用いられている。
SiH4-O2系での熱反応で形成される酸化膜や、TEOS-O2系でのプラズマ酸化膜に比較し、段差被覆性および配線間の埋め込み性に優れる。低O3濃度で成膜した場合、段差被覆形状はコンフォーマルで、吸湿性が高いが、O3濃度を上げることおよび成膜温度を上げることで吸湿性が低下する。また、高O3濃度でかつ380℃程度で成膜を行った場合には、段差上で膜を流動させたような段差被覆形状を示し、埋め込み性も良好となる。高O3濃度で成膜されたTEOSー03 CVD酸化膜の段差被覆性を写真1に示す。気相中で形成されたTEOSの比較的大きな分子量の重合物が、基板表面で流動することでこの形状がえられると考えられている。流動性CVDの一種である。高O3濃度の場合でも、プラズマCVDと比較すれば、吸湿性が高く、機械的強度が弱い膜となるが、他の流動性CVDが成膜後に改質改善のための熱処理を必要とすることにくらべると、膜質は良好であり、単独膜としての使用も可能である。高O3濃度でのTEOS-O3CVDの課題として、その成膜特性が下地の影響を受けやすいことがあげられる。下地材質およびその表面状態により成膜速度、膜表面モフォロジーおよび段差被覆性が大きく変化する。下地表面の状態により、成膜に寄与する反応中間体およびその吸着状況が変化することが原因と考えられている。下地の影響を低減するため、TEOS-O3CVDでの酸化膜形成前にプラズマCVDなどで薄く酸化膜を事前に形成することで、下地の状態を一様にするなどの方法が取られる。膜質を制御するためには、形成条件だけではなく、下地表面状態の制御も必要となる。


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