半導体用語集

ELID研削

英語表記:electrolytic in process dressing grinding

近年、半導体材料であるシリコンウェハは、デバイスの微細化に伴い高平坦ウェハが要求されている。その高平 坦化には鏡面研削技術が研磨の前工程 に採用されつつある。しかし、脆性材料であるシリコンの鏡面研削は精密切削と異なり、多数の微小な砥粒刃先で除去加工を行うがゆえに、その刃先の目詰まり、目つぶれ状態の管理が困難であり実用化には問題が残されている。しかしながら、研削加工は、すでにデバイス後工程であるダイシング前の裏面研削工程で実用化され、仕上げ研削においては、ポンド剛性の低いレジン系ダイヤモンド砥石(#232000程度)が使用されている。この種の砥石では、砥粒が脱落し寿命が短く、ま た、生ウェハに要求される高精度な鏡面の創成との両立は難しい。そこで、砥石剛性の高いメタルボンド超微粒砥石を使用したELID法が開発された。ELID法は、弱導電性研削液による電解ドレッシングをインプロセスで付与することにより、メタルボンド超砥粒砥石を安定して利用可能とした加工法である。鋳鉄ファイバボンド砥石では、ボンド材の電解に伴い不導体被膜が石面に形成され、溶出が停止し一定の砥粒 突出をえる。その後、加工の進行に伴いこの被膜が少しずつ削除され、必要に応じて電解溶出が再開する。この微視的なドレスサイクルにより安定かつ 高精度な加工が維持できる。 シリコンウェハの研削においては、一般的に鋳鉄ファイバホンド(#234000~#2310000) ダイヤモンド砥石が使用され、表面粗さ(Rmax)30~40 nmが実現可能である。また、研削面性状については、現状のラッピングの脆性面とは異なった鏡面に近い塑性面であり、その加工変質層はラッピング の数分の1~1/10 前後である。そのため、後工程であるエッチング取りしろの低減、さらにはエッチングの省略が可能になり,その効果として、さらな る研磨後の高精度が期待できる。


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