半導体用語集
LPDモード(Light Point Defect)面の粗さ
英語表記:roughness by LPD mode
一般にウェハ表面検査装置(パーテ ィクルカウンタ)で、ヘイズ (haze)値として表示されるものがこれに該当する。これは、ほとんどの表面検査装置ではウェハ表面に入射させ たレーザ光の正反射以外の散乱光を測定しパーティクルと判定された以外の場合の散乱光量を入射光量に対して正 規化した値になっている。ウェハ表面検査装置のヘイズ値とはこのような値であるので、その値はウェハ表面の状 態のみならず、測定に用いた光学系の幾何学的配置にも依存する。すなわち、この値は装置型式に依存するものであって、異なる検査装置機種間での結果の互換性は維持されていない。とはいえ、測定しているものは散乱、光の光量であるので、同一装置での結果であればその値はウェハの表面および表面層の状態を反映したものになり、一般的傾向としては粗い表面ほど多くの散乱光を発生させるのでヘイズ 値が大きくなる。この散乱光はパーテ ィクルを検出する場合のマスクとして 作用してしまうためにヘイズ値が大きくなってしまうと、パーティクルに対する感度と分離の信頼性が低下し、とりわけ微小なパーティクル検査に支障が生じるので、ある程度以下に小さいことが必要なのである。このため、表面検査装置のヘイズ値(LPDモード の表面粗さ)は、しばしば実際のウェハ表面粗さの代替特性として使用され、ウェハの研磨仕上げ状態の善し悪しの代替指標とされている。ここで、表面および表面層と記したのは、誘電体であるシリコンウェハの表面に電磁波である光を入射させると、その反射、散乱は表面の微細形状のみならず、表面に吸着あるいは付着している物質の影響も含まれ、また、シリコンの誘電率と入射光波長と入射角に依存する一定の侵入深さ(penetration depth old skin depth)までの内部の状態にも影響されるからである。表面での散乱についてのみ考えてみた場合、純粋な意味での散乱光量はウェハ表面の粗さと入射光の波長に依存する。しかしながら、シリコンウェハ は単結晶でありその表面は特定の結 品方位に沿った面であるので、選択工ッチング性のある仕上げ加工や、エピ タキシャル成長機構の働く処理によって仕上げられた表面の場合には微細に見た表面構造が結晶構造に対応した周期構造を持つ場合がある。このような場合には表面構造がちょうど回折格子として働くことになり、正反射以外の 特定の方向に回折光を出してしまい、結果としてヘイズ値が大きくなってし まう。このような回折光がある場合、検出されるみかけの散乱光量が測定器の光学系の配置とウェハの結品方位との相対的な角度に依存して変化し、ウェハ上の同じ場所であってもウェハをセットする向きによって異なるヘイズ値となってしまう。このようなケースでは、しばしばウェハ表面の完全性が高いほど(仕上げ状態が理想的であるほど)回析光が強く、結果として測定装置の表示するみかけのヘイズ値が大きくなってしまい、ウエハ表面粗さの代替特性としてウェハの研磨仕上げ状態の良し悪しの指標とするという趣旨からは逸脱してしまうという矛盾を内包している点に注意が必要である。
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