半導体用語集

n値

英語表記:ideality factor

 理想ダイオード特性からのずれを評価する因子である。ダイオードの電流-電圧特性は式(1)で表わされる。

ただし、Jsは逆方向飽和電流である。この式におけるnがn値(または理想因子)であり、式(2)で定義される。通常、n>1の値をとり、n=1の場合に理想ダイオード特性を与える。
 n値を求めるには、電流-電圧特性を片対数でプロットし、順方向特性の直線領域(V≫kT/q)の傾きから式(2)を用いて算出する。
 pn接合ダイオードの場合、電流を支配するキャリアは小数キャリアであり、n=1で拡散電流が、n=2で再結合電流が支配的であることを示す。ショットキダイオードの場合は、多数キャリアが電流を担っており、n=1の場合、半導体中の多数キャリアがショットキ障壁を越えて流れる電流(熱放出電流)が支配的であることを示す。界面近傍のドーピング濃度が高い場合、空乏層厚が減少し、障壁をすり抜けるトンネル電流が支配的になる。トンネル電流の増加に伴い、n値は増加する。

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