半導体用語集
ショットキ障壁
英語表記:Schottky barrier
最初の実用的な半導体デバイスは、点接触型整流器、すなわち金属ホイス力を半導体の表面上に押しつけた金属 半導体接触ダイオードであった。このデバイスは、1904年度から多くの用途に使われていた。1938年Schottkyは、この整流特性を半導体の表面にある安定した空間電荷によって、表面にポテンシャルの障壁ができているためであるとの説明を提案した。そのモデルでよく説明できるために、その後、この障壁はショットキ障壁と呼ばれている。また、金属ー半導体接触がまったく整流特性を示さない場合もある。すなわち印加する電圧の極性に関わらず接触抵抗がほとんど無視できる場合である。 そのような接触はオーミック接触と呼はれる。 集積回路と同様すべての半導体デバイスはシステムを構成するために他のデバイスと結線するためのオーミック接触を必要とする。ショッ トキ障壁に光を照射すると、バリア領域 (空乏層) 内で、発生した電子正孔対は内部電界によって、それぞれ逆方向に拡散し、起電力を生する。 これが、ショットキ障壁の光起電カ効果である。 一般にショットキ障壁の高さは表面準位の影響でpn接合よりも低い。そこで、金属と半導体の間に薄い絶縁層を挿入したMIS構造を形成し、開放電圧を改善している。ショットキ障壁を用いると、表面再結合の影響が現われないため、短波長の光にも高い感度を示し、しかも高速応答のフォトダイオードが実現できる。Au/nーSiショットキ障壁で0.1 nsの応答速度を示し、GaAsショットキ型アバランシェダイオードで、0.3 nsの高速応答が得られている。また、最近では、高分子を光電材料とした、MIM (Metal Insulator Metal) 構造のフォトダイオード、PtSi/p-Si ショットキダイオードを受光部に用いた赤外線イメージセンサ、Au/n-Si 二次元位置センサなどの開発も行われている。
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