半導体用語集
アバランシェ現象
英語表記:avalanche phenomena
半導体構造の主に空乏層に大きな電界が加わった場合、キャリア(電子あるいは正孔)が加速される。加速されたキャリアのエネルギーが十分大きくなると、キャリアが格子原子と衝突して電子—正孔対を発生するようになる。こうして発生した新しいキャリアが再び電界で加速され、次の電子ー正孔対の発生を繰り返し、キャリアが増倍していく現象をアバランシェ現象という。半導体中の現象以外にも固体や気体中で生じる電子またはイオンによる繰り返し衝突電離を広くアバランシェ現象という。半導体のpn接合などに逆方向電圧を加えていくと、電界強度がl05V/cmぐらいでアバランシェ現象が顕著になり、キャリア増倍率が急激に増加する。増倍率が無限大になったところでいわゆるアバランシェ降伏が生じる。電離エネルギーはバンドギャップに比例するため、バンドギャップの大きい半導体ほどアバランシェ現象の生じる電界強度は強くなる。アバランシェ現象の温度依存性は、主に移動度の温度依存性で決まるため(移動度は散乱の多さを反映しており、低移動度で散乱が多いほど、同じ電界におけるキャリアの速度、すなわちエネルギーの増加が抑制されるため)、アバランシェ降伏が生じる降伏電圧は温度を上げると増大する傾向がある。なお、半導体の不純物濃度が高い場合にばツェナ降伏が生じアバランシェ現象は生じない。
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