半導体用語集
インナリードボンダ
英語表記:Inner Lead bonder
半導体チップのバンプとTABテープのインナリードを接続する装置。ILボンダとも呼ぶ。
インナリードボンダは二つの接続方式があり,バンプとインナリードを一括で接続する方式をギャングボンダ(gang bonder),バンプとインナリードを1本ずつ接続する方式をシングルポイントボンダ(single point bonder)という。シングルポイントボンダは生産性が低く,一括接続が困難な多ピン,ファインピッチなどの特殊なパッケージを除いて適用例は少ない。現在は生産性に優れた,ギャングボンダが主流である。したがって,通常ILボンダといえばギャングボンダを指す。
ギャングボンダは,TABテープの搬送機構,半導体チップの搬送機構,位置合わせ機構ボンディング機構から構成される。TABテープの搬送機構は,リールで供給されるTABテープを引き出し,加工点まで搬送し,反対側のリールに巻き取る。半導体チップの搬送機構は,リングに貼りつけられた状態で供給されるウェハから,1つずつ半導体ペレットを取り出しチップステージに搭載する。位置合わせ機構は.チップステージ上の半導体チップと,加工点上のTABテープをそれぞれ画像処理により位置検出し,適切な補正移動量を計算する。ボンディング機構は,位置合わせ機構で計算したデータからチップステージを移動してパッドとリードを位置合わせ後に,ボンディングツールにて加熱,加圧して接続する。ボンディング時の加工点温度は約500℃である。加圧に使用されるボンディングツールは各バンプを均ーに加圧するため,500℃状態で平面度lµm以下が要求される。同様にボンディングツールと半導体チップの傾きも重要であり.半導体チップ全面で4µm以下の平行状態が要求される。また,位置合わせ精度は半導体組立工程で最も厳しく,現状で5µm以下が要求される。
シングルポイントボンダの構成は,ほぼギャングボンダと同じであり,加工点部のボンディングヘッドが異なる。ボンディングヘッドの構造はワイヤボンダとほぼ同じである。加工点ではツールの超音波振動と,ステージからの加熱により接合する。
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