半導体用語集

インナリードボンディング

英語表記:inner lead bonding

 インナリードボンディングは、TAB(Tape Automated Bonding)方式におけるチップとフィルムキャリアの接続である。
 接続方式は一括接続方式(ギャングボンディングともいう)とシングルポイントボンディング方式の二つがある。
 一括接続方式は、チップの電極にバンプ(たとえばAu,Sn/Pbなど)を形成し、フィルムキャリアのリードにめっき(たとえばSn、Auなど)を施してあり、インナリードボンディング装置を用いてキャリアテープのリードとチップのバンプを位置合わせした後、ボンディングツールにて一括に熱圧着する。
 シングルポイントボンディング方式は、フィルムキャリアのリードにめっき(たとえばAuなど)を施し、チップのバンプ(たとえばAuなど)と、インナリードボンディング装置を用いて位置合わせした後、ボンディングツールにて1ピンずつ超音波と熱圧着にて接合する。
 インナリードボンディングの特徴として、狭パッドピッチ(たとえば、50~80µmパッドピッチ)に対応できるため、多ピンの半導体(たとえば、LCDドライバ、ゲートアレイ)に採用されている。
 しかし、一括接続方式では、ボンディングツールの加工面の平坦度が高いこと、バンプ高さが均ーであること、キャリアテープのリードのめっき厚が均ーであること、キャリアテープのリードの位置精度が高いことなど部材に対する要求がきわめて大きい。また、接合時にボンディングステージとボンディングツールの平行度が高いことが要求され、少量多品種を生産するには一つの大きな足かせともなっている。
 シングルポイントボンディング方式では、キャリアテープのリードのめっき厚が均ーであること、キャリアテープのリードの位既精度が高いことなどキャリアテープに対する要求がある。また、接合時に1ピンずつ接合を行うため、多ピンになれば1チップの接続時間が増え、生産性が低下する。
 両方式を比較した場合、一括接続方式では、ボンディングツールとボンディングステージの平行出しが必要であるが、シングルポイントボンディング方式では不要なため、少量多品種の生産にはシングルポイントボンディング方式が有利になる。また、多ピン製品の大量生産となると一括接続方式が有利となる。
 このように一括接続方式、シングルポイントボンディング方式ともに長短所があるため、半導体のピン数、生産数など状況に合わせて使い分ける。

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