半導体用語集
エッチングダメージ
英語表記:etching damage
プラズマエッチングによってエッチされた表面層は,物理的なスパッタエッチングに伴う表面粗れや欠陥が形成される。また,化学的なエッチングにし伴って,表面上に残留する揮発生成物や不揮発性生成物の原子の吸着が起こって,表面汚染層も形成される。また,イオン照射によって生じた欠陥と残留生成物とが核を作り,表面層には析出物や複合欠陥が形成されることもある。イオン照射は,表面の数原子層に物理的な損傷を与え,ハロゲン原子との反応を促進する。この効果も,異方性エッチングに寄与する。たとえば,1keVのAr⁺は,Siの結晶に4nm程度の表面損傷を与える。また,1keVのAr⁺をW表面に照射して,表面損傷を形成した後,XeF₂ガスを用いると表面損傷層のWが急速にエッチングされることが見い出されている。しかし,Siの場合は逆にエッチングが阻害されており,材料などにより,現象は異なる。エッチングダメージはイオンエネルギーに依存し,エネルギーの低下とともに小さくなる。イオンが基板原子を動かすしきい値エネルギーが存在し,シリコン基板へのArイオン照射では22eV,GaAsに対しては7~12eVである。デバイス作製にはプラズマエッチング工程は必須のものであり,このエッチングダメージはアニール工程により取り除かれる。
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