半導体用語集

カスケードドライバ

英語表記:cascaded driver

容量性の負荷を高速に駆動するのに適したドライバ。信号線路上でトラン ジスタのゲート幅Wを次第に大きくしていくようにn段のインバータを鎖状に接続したドライバをカスケードドライバ(cascaded driver)という。この接続においてそれぞれのドライバの出力ラインの相対ファン・アウトは等しく、f倍で増加するように構成される。すなわち初段のインバータのサイズをx1とすると、 i番目のインバータサイズはx1=x1・fi-1倍の大きさになる。このfをテーパリングファクタ(tapering fåctor)と呼ぶ。この時、トランジスタサイズの増大比とドライブする容量の増大比が等しいので、初段のドライバの入力容量Ciと終端の負荷容量CLは、CL/Ci=fn=Y、n=ln Y/lnf、と表わせる。Yは増大比を表わす定数である。遅延時間Tを最小にするfの最適値を求めると、fopt=e+ (e・ke /kg) / (e+kj/kg)、i番目のインバータサイズをx1とすると、i 番目のインバータのドレイン電流はIot=ki・xi 、i 番目のインバータの接合容量はCji =ki ・kj、次段のゲート容量はCgi=kg・xi+1と表せる。したがって、総遅延時間Tは、T=Σ(Af+B)=n(AY1/n+B)=(lnY/lnf)(AY1/n+B)となり、この式についてdT/df=0とおくと、fopt=e+(e・kj/kg)/(e+kj/kg)がえられる。単位面積当たりの次段のインバータのゲート容量に対して、それをドライブするインバータの接合容量が十分に小さい時、fopt=eになる。しかし一般にkj/kgは0ではないので、実際にはfopt=4~6程度の値が取られる。リピータ(repeater)は信号配線の伝播遅延を低減するためによく利用されるが、そのサイズを最適化したリピータの初段には、入力容量低減のためにカスケードドライバを用いることが望ましい。


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