半導体用語集

クーロン散乱

英語表記:coulomb scattering

 半導体の移動度に大きな影響を与えている散乱メカニズムの一つで、キャリアがイオン化不純物と衝突した時にクーロン力によって起こる散乱のことをいう。クーロン散乱においては、電子の散乱はα線のラザフォード散乱の場合と非常によく似ている。このため、半導体中に存在するキャリアによってクーロン場が遮蔽され、遠方ではあまりクーロン力が及ばなくなると考えた“遮蔽されたクーロン場”という概念を取り入れて、ラザフォード散乱こ基づく理論的取り扱いが行われている。この遮蔽距離はデバイ長と呼ばれており、キャリア濃度10¹⁵ cm⁻³ の場合、室温で100nm、10¹⁷cm⁻³ では10nm程度である。イオン化不純物散乱により決まる移動度は、
   μ = 1 / Nᵢ (m*/m₀)⁻¹ᐟ² T³ᐟ²
で与えられる。ここで、Nᵢは不純物濃度、Tは絶対温度、m₀は自由電子の質量、m*は電子あるいは正孔の有効質量である。温度が高くなるほど、キャリアの熱速度が大きくなりイオン化不純物の近傍を走り抜けるようになるので、一般に低温領域で支配的なメカニズムとなる。ただし不純物量が増加すると室温において支配的であるフォノン散乱よりもクーロン散乱が次第に大きくなり、移動度が低下してくる。

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