半導体用語集
スーパールミネッセントダイオード
英語表記:Super Luminescent Diode : SLD
直接遷移型半導体の誘導放出を用いた高光出力の発光ダイオード。SLDと略される。高光出力特性と低いコヒーレンシー(可干渉性)を合わせ持ち、レーザと発光ダイオードの中間的な特性を有する。主にファイバジャイロやOTDR (Optical Time Domain Reflectometer)などの光計測システムや、短距離光ファイバ通信システム用の光源として用いられる。基本素子構造は半導体レーザと同じであり、発光層をワイドバンドギャップのp型およびn型半導体層で狭んだダブルヘテロ構造が用いられる。発光波長帯は半導体材料のバンドギャップに依存し、紫外~青色の領域ではGaN/AlGaN系、800nm帯ではGaAs/AlGaAs系、1,300~1,550nm帯ではInP/InGaAsP系の化合物半導体が使われる。一般的な発光ダイオードは面方向に光を取り出す面発光型であるのに対し、スーパールミネッセントダイオードは増幅率を高めるため通常の半導体レーザと同様に発光層がストライプ状になっており、端面方向から光を取り出す端面発光型である。高光出力特性を実現するにはレーザ発振をいかに抑えるかが最大の技術的ポイントで、広帯域ARコート、窓構造、さらに斜め導波路構造などにより端面からの反射を極力抑えること、裏面に吸収層を設けて光帰還を抑えることなどが重要となる。また、ファイバ結合効率をよくするためモードコンバータを集積化する場合もある。通常、光出力として数100µWから数mW、スペクトル幅として20~50nmの特性がえられる。
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