半導体用語集

トランジスタラジオ

英語表記:transistor radio

 半導体の応用を考えるうえで、大きなきっかけになったのはトランジスタラジオの発明であろう。 トランジスタは、小型であり、寿命が半永久的であり、信頼性が高いことから、真空管に代わって、エレクトロニクス産業にどんどん取り入れられた。米国においては、主として、軍事目的のために技術開発が進められたが、日本においては、民生目的のために技術開発が進められた。1955年、東京通信工業(現在のソニー)の井深大らが、 トランジスタラジオを開発した。まだ、真空管ラジオが主流であった当時、発明から数年しか経っていないトランジスタを採用したことは驚異的である。この電池で長時間使用可能なトランジスタラジオは、トランジスタの小型、軽量、低消費電力、高信頼性という、真空管に比した利点を最大限に活かせる応用分野であり、非常な注目を浴びた。このトランジスタラジオの成功によって、電子機器の半導体化が促進された。応用は、トランジスタラジオからトランジスタテレビヘと移っていき、当初は、真空管応用機器にくらべても高価であったが、価格も低下し、電子機器の普及拡大に繋がった。さらに、当初のゲルマニウムトランジスタから、シリコントランジスタに移行してからは、家電分野では、大型カラーテレビなど全面的にトランジスタ化が進み、機器の低価格化だけでなく、性能・品質向上に寄与した。また、コンピュータや通信機器などでも、トランジスタの採用が進んだ。

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