半導体用語集

フッ素樹脂

英語表記:FP : Fluoropolymer

Poly (Tetrafluoroethylene) (PTFE もしくはTeflon)が代表例である(図1 )。CVDで形成される有機高分子膜である。比誘電率は1.9程度であり、有機高分子膜の中では最も低い値を示す。しかし、ガラス転移点が300℃以下であり、また熱分解温度も400℃程度と低い。また、金属やシリコン酸化膜との密着性が悪い。また柔らかい材料であるため、クリープの問題がある。クリープ特性を改善した材料に TeflonAFがある。層間絶縁膜への適用検討は主にCVD-Teflon AFを用い行われている。
塗布材料としては環化重合フッ素樹脂(CPFP)がある。商品名ではサイトップ(CYTOP)と呼ばれる。比誘電率は2.1から2.2。パーフルオロアルキルビニルエーテルを環化重合することによりえられ、主鎖に環構造を有するパーフルオロポリマーである。このポリマーは、フッ素樹脂の多くが結晶性を示すのと対照的に完全な非晶質であるため、特定の非フロン系のフッ素溶媒に可溶である。成膜は回転塗布およびその後の熱処理により行い、分子量、溶液濃度、塗布時の回転数により、0.1から10nm程度の膜厚まで成膜できる。無機材料との密着性は他のフッ素系樹脂と同様に悪く、アミン系のシランカップリング剤による前処理などでの対策が必要となる。熱分解温度が470℃であるが、ガラス転移温度は110℃と高い。


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