半導体用語集

ポラリトン

英語表記:Polariton

 物質中を励起子や光学フォノンなどの分極波が伝搬する時電磁波が放射される。この電磁波は分極波と同じエネルギーを持つので、その運動量が保存する条件下では再び物質中の分極波を励起することが可能である。この伝搬する電磁波と分極波が結合することによってえられる連成波をポラリトンと呼ぶ。
 たとえば光学型フォノンの横波成分は、その波動ベクトルに対して垂直な方向に分極を持つので光(フォトン)と結合することが可能である。これはフォノンポラリトンと呼ばれる結合状態を形成する。その周波数に対する分散特性は、フォトンとの結合の度合によって、結合していない場合のフォノンの分散特性を変化させる。このようなフォノンポラリトンの存在は遠赤外の反射スペクトルやラマン散乱によって観測される。
 クーロン相互作用によって結びついた電子正孔対(励起子)に関しても同様に、フォトンとの相互作用は励起子とフォトンの結びついた状態、励起子ポラリトンとして扱われる。したがって励起子の吸収および発光は1電子描像におけるそれとは異なり、励起子ポラリトンとして扱う必要がある。

関連製品

「ポラリトン」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「ポラリトン」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。