半導体用語集

マイクロカラム

英語表記:nucrocolumn

フィールドエミッション電子銃、静電レンズ、静電偏向器、スティグマトールなどを含むカラムをSiマイクロマシニング技術によって数mm程度の大きさに作ったものをマイクロカラムと呼ぶ。IBMのChangらによって開発された。彼らが開発したマイクロコラムでは、フィールドエミッション電子銃とビーム引き出し電極との間の距離が自在に制御できるようにすることで、電子銃のビーム放射特性を安定化させている。静電レンズには3枚の電極板で構成されたアインチェルレンズを使い、上下2枚の電極を同電位にして、これに対して中間電極の電位を変化させてビームの収束特性を最適化している。また偏向器は8極の静電偏向器で、偏向電圧には補正電圧を重畳して非点収差補正ができるようになっている。このようなマイクロカラムを、試料全面にアレー状に並べて、マルチカソード、マルチレンズ方式の描画装置としたのがアレードマイクロカラムである。 アレードマイクロカラムでは、各カラムを同時並列動作させることで、1個のカラムが受け持つ露光時間で試料全面の露光が完了することができる。スルーブットの飛躍的な向上が期待できる。マイクロカラムのメリットとしては、フィールドエミッション電子銃を1kV以下の加速電圧で動作させることができるため近接効果の影響が小さい、かラムの幾何学的な形状に依存した収差も小さいなどである。問題点としては、アレードマイクロカラム構成にした際のカラム性能の不均一さ、寿命の違いなどがあげられる。


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