半導体用語集
メディアプロセッサ
英語表記:media processor
メディアプロセッサとは、モデム、音声/オーディオ/ビデオ信号の圧縮/伸長、二次元/三次元グラフィックスの描画、音声/動画認識などの、デジタル化されたメディア信号をリアルタイムで加工する処理に特化したプロセッサである。これらの処理には、
・単位時間当たりの演算量とデータ転送量が多い。
・積和演算などの比較的単純な処理の繰り返しが処理時間の大半を占める。
・処理およびデータの並列性が高く、並列処理が容易である。
・決められた時間内に処理を終了することが強く要求される。
などの特徴がある。メディアプロセッサは、これらの特徴に合わせて最適化することで、これらの用途においては、汎用マイクロプロセッサよりも高い価格対性能比を達成している。具体的には、多くのメディアプロセッサにおいて、次の技術が採用されている。
・高速な積和演算器を備える。
・複数のデータに対して同じ処理を並列に実行する。これは、SIMD(Single Instruction Multiple Data)演算と呼ばれている。
・繰り返し制御、アドレス計算、データ転送および複数の演算を並列に実行する。この時、 VLIW(Very Long Instruction Word)方式で、複数の命令を並列に実行する。これは、プログラムを書く時あるいはコンパイルする時に、並列実行可能な複数の命令を抽出し、これらを組み合わせてビット長の長い命令を作る方式である。高性能マイクロプロセッサで用いられている、並列実行可能かどうかをハードウェアで調べるスーパースカラ方式と比較して、ハードウェア量が少なくてすむという利点がある。
・たとえばオーディオとビデオなどの複数の処理を同時に実行する時に、複数のプログラムをRTOS(Real Time Operating System)の管理の下で時分割して走らせることで、各処理が決められた時間内に終了することを保証する。
また、DRAMインタフェース回路や、マイクロフォン、スピーカ、カメラ、テレビなどに向けたインタフェース回路も一緒に集積することで、メディアプロセッサを搭載したシステム全体での部品数の削減を図っている。
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