半導体用語集
リン化インジウム
英語表記:InP
結晶構造:閃亜鉛鉱構造。格子定数:0.5869nm。バンド構造:直接遷移型。エネルギーギャップ:1.4236eV(1.6K),1.344eV(RT)。スピン軌道分裂エネルギー:0.108eV。有効質量:伝導帯mc*/m₀=0.0765,重正孔帯mhh*/m₀=0.56,軽正孔帯mlh*/m₀=0.12,スピン軌道分裂帯mso*/m₀=0.121。ルッティンジャーパラメータ:γ₁=5.15,γ₂=0.94,γ₃=1.62。比誘電率:ε(0)=12.61,ε∞=9.61。励起子束縛エネルギー:5.12meV。フォノンエネルギー:LO=42.7meV,TO=37.5meV。変形ポテンシャル:a=-6.31eV(ac=-5.04eV,av=1.27eV),b=-1.6eV。弾性定数(×10¹¹dyne/cm²):c₁₁=10.22,c₁₂=5.76,c₄₄=4.60。熱伝導率:0.877W/cm・K。熱膨張係数:4.56×10⁻⁶/K(298K)。融点:1,070℃。
光通信用1.3μm,1.55μm長波長半導体レーザ,光検出器用基板として広く使用されており,現在2インチ基板が主流である。半導体レーザの場合,光閉じ込め層をInP,発光層をInGaAs(P)/InGaAsP量子井戸構造としたGRIN-SCH(Graded-index Separate Confinement Heterostructure)構造が代表的である。大容量長距離光通信用半導体レーザには,光導波層に周期的な屈折率変化を形成した分布帰還(DFB)レーザが使用される。一方,光検出器はInGaAs光吸収層を基礎としたへテロ構造となっている。このような発光,受光素子には導電性のInP基板を使用するが,高移動度トランジスタ(HEMT)やへテロバイポーラトランジスタ(HBT)などの作製,集積化には絶縁性基板が必要である。このためにはFeなどをドープした半絶縁性InP基板を使用する。一般に蒸気圧の高いPを含む薄膜作製は高真空系では困難なことが多く,素子の量産は主にMOVPEが用いられる。
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