半導体用語集

不純物再分布

英語表記:impurity redistribution

熱酸化はSiを取り込んで進行するため、SiとSi02の境界はもともとの表面から内部へ移動する。このため表面近くのドーパント濃度は影響を受け、不純物の再分布が生じる。平衡状態では、固相と液相中それぞれにおけるドーパント濃度の間に一定の定数があるのと同様に、Si中とSi02中のドーパントの濃度比は一定である。この濃度比は偏析係数mと呼ばれ、

m=

で定義される 。ここで、CSi、CSi02は、 それぞれSi中およびSi02中のドーパント濃度である。n型ドーパントであるP、As、Sbは偏析係数が大きく ( m>1 )、ドーパントはSi側へ入りやすく、Si表面でドーパント濃度が上昇する。 一方、p型ドーパントである Bは偏析係数が小さく (m<1) 、 Si表面におけるドーパント濃度は下がる。
SiとSi02の境界は酸化中に移動するので、その境界における平衡は酸化速度がかなり低い場合のみなりたつ。
実際のプロセス条件は、通常平衡状態ではないため、再分布は平衡状態から予測されるものとは異なる。また、
Si02中のドーパント拡散係数が大きい時、ドーパントがSi02膜を通して外部へ出ていくため、ドーパントの再分布はこれによっても影響を受ける。
さらに、酸化によりSiーSi02境界が進む速さとSi02膜中のドーパントの拡散速度との相対的な割合も再分布に影響を与える。酸化によるドーパントの再分布は、デバイス特性に重大な影響を及ぼすので、その正確な予測は今後ますます重要となる。


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