半導体用語集
リフロー
英語表記:reflow
LSI素子の集積化に伴い、複雑な段差縦構造を緩和し、高温熱処理により平坦化をはかる目的で用いられる技術。段差緩和のための絶縁膜を付ける方法としてCVD法、塗布法がある。いずれの場合も成膜後に加熱処理を行い粘性流動を利用して下地段差形状を緩和させること。
1.CVD法で、SiH4 (モノシラン)と02とPH3を用いて、8wt・%程度のP含有量のPSGをポリシリコン配線層上に形成した後に1,000℃程度で加熱することによって、PSGの堆積形状を平坦化することができる。CVD法で成膜する際にB2H6を追加して、Si02中にBとPを含ませたBPSGにおいては、平坦化のための加熱温度(リフロー温度)を 800℃まで低温化することができる。デバイス作製プロセスを低温化することは、トランジスタの能動領域のドーピングされた不純物再分布を最小限にするために、素子寸法の縮小とともに重要になってきている。急激に温度を昇降温できるレーザアニールやランプアニール法を用いてリフローを行うと、加熱領域を能動域外に限定することもできるので、不純物の再分布を少なくすることも可能である。 リフロー後の絶縁膜の平坦性は、膜形成直後(リフロー前)の段差被覆形状にも依存している。TEOS (テトラ工トキシシラン)と03を用いて常圧CVD法でBPSGを成膜すると、成膜後の段差被覆形状が改善し、その結果リフロー後の優れた平坦性が実現されている。
2.半導体デバイスの製造プロセスにおいて、形成したパターンなどにより凹凸のある表面に流動性のある物質を塗布して平坦化することをリフローと呼んでいる。一般に、温度を上げることにより塗布膜の粘度を下げて流動性を上げ、表面を滑らかにしたり、或いは下地凹部に発生した空洞を埋めるために行われる。図左は、アルミ配線上に酸化シリコン膜をCVDで付けたところであるが表面が凹凸している。この上に樹脂を塗布すると、図右のように樹脂が流れて(すなわちリフローして)平坦になる。太線のところまで全面均一にエッチ・バックすると、酸化シリコン膜が平坦化される。CMPが実用化される以前は、このような平坦化プロセスが用いられた。樹脂の代わりにSOG(Spin on Glass)が用いられることもある。アルミニウム膜をスパッタで付ける時も、下地のコンタクト・ホールの底まで埋まるように数100℃の高温中で行い、アルミニウムをリフローさせることが行われる。また、微細化と共にシャロートレンチアイソレーション(STI)が一般に採用されているが、酸化シリコン系ガラスをトレンチに埋めるため、CVD後800℃程度の高温にしてリフローさせている。
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