半導体用語集
銅配線
英語表記:copper conductor
<p>銅配線はアルミニウム合金配線とくらべて、40%程度低い抵抗と1桁以上高いエレクトロマイグレーション耐性の点で優れている。しかしながら鋼配線の形成プロセスはアルミニウム配線の形成プロセスと次のような点で大きく異なる。
(1)銅の拡散防止のためのバリア膜
(2)銅の成膜(溝・孔への埋め込み)
(3)銅のCMP (Chemical MechanicalPolishing)
(4)プロセス汚染防止
</p><p> 銅配線の形成法には、反応性イオンエッチング (RIE: Reactive Ion Etching) とダマシン法とがある。 RIE法はアルミニウム配線で広く用いられているが、室温近傍で十分高い蒸気圧を持つ化合物がない銅では微細加工が難しく、ダマシン法が主流になっている。ダマシン法は溝への金属埋め込みと、金属CMPによって溝の外部の不要な銅を除去することにより配線を形成する方法である。ダマシンプロセスでは配線形成と同時に平坦化がなされるため多層化しやすい。さらに配線とビアプラグを同時に形成するデュアルダマシンプロセスは金属埋め込みとCMPの回数を削減でき配線コストを低減できるメリットがある。</p><p>ただし、ビアと配線とにわけて形成するシングルダマシンにくらべよりアスペクト比の高いビア孔に金属を埋め込みむ技術が必要となる。銅は酸化膜中の拡散速度が大きいことから、配線の銅をバリア膜で覆う必要がある。バリア材料の抵抗率は銅にくらべてけた違いに大きいため、バリア膜を合む銅配線の実効抵抗率を低く抑えるため、できるだけ薄くてバリア性の高い膜の形成技術が必要である。特にトランジスタに近い下層配線のピ ッチは狭く、今後ますますこの要求が厳しくなると思われる。</p><p>さらにデュアルダマシンを採用するには高アスペク ト比の溝・孔に対する十分な被覆率のえられる成膜法が必要である。通常のスパッタではこのような構造への均一なバリア膜堆積が難しく、ロングスロースパッタ、イオン化スパッタなどの異方性スパッタやCVD技術が必要と考えられる。
スパッタバリア膜は、Ti、TiN、TiW、 Ta、TaN、WSiNなど様々な材料が試されている。CVD法ではコンフォーマルな薄膜形成ができることから注目されている。例としてMOCVD-TiN、WN、TiSiNなどが報告されている。</p><p>配線の上面もバリア材料(窒化シリコンなど)でキャップする必要がある。窒化シリコンは比誘電率が高く配線の寄生容量を増加させるため、こちらもバリア性の高い薄膜の形成技術が必要である。
銅薄膜もダマシン法で配線を形成するには溝や孔への埋め込みが必要になる。スパッタ(リフロー)は成膜装置の成熟度が高いが高アスペクト狭ピッチ配線への適用は難しくなっていく。これに対応するためにめっき、CVD、異方性スパッタなどが候補として検討されている。中でもめっきは比較的低コストと考えられており、実用化への対応が進めば量産性の高い技術として注目されている。</p><p>微細化に伴い、ビア抵抗の影響が次第に増加してくる。また製造プロセス上のエレクトロマイグレーションなどに対して高い信頼性を持っピアの形成が困難になってきつつある。プロセス面では銅がアルミニウムにくらべて酸化が進みやすいために、ビア孔エッチ後の銅表面のクリーニング方法の工夫が必要である。クリーニングはビアエッチ中に酸化膜上に再付着した銅汚染を除去するためにも必要である。</p><p>銅CMPに関しては、試作レベルの報告は多数あるが、プロセスパラメータが多種多様にわたるため多くのノウハウを含んだ技術といえる。一例としては、タングステンと同様のアルミナ砥粒を含むスラリーを用い過酸化水素により銅の表面を酸化させて研磨除去する。研磨パッドや研磨条件についても系統的な検討が必要である。銅がシリコン素子の活性領域に侵入するとデバイスの特性が劣化する。銅配線プロセスはこのようなプロセス汚染を防止できるように構築される。特に配線の銅が露出するCMP工程後の洗浄やビア孔エッチング後の洗浄技術が重要と考えられる。</p>
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