半導体用語集

付帯施設

英語表記:incidental facilities

 半導体製造工場における付帯施設とは、冷熱源供給施設・超純水製造施設・排水処理施設・排気処理施設・薬品供給回収施設・バルクガス供給施設・ドライエアー製造施設など、生産に必要なユーティリティを供給する施設、および生産の過程において排出される物質を処理する施設の総称である。以下はそれぞれの施設についての概略である。
 冷熱源供給施設は冷水・温水・蒸気などを製造・供給する施設である。これらの冷熱源は半導体工場においては、主にクリーンルーム内の温湿度条件を一定に維持するための空調設備に供給されている。
 超純水製造施設は、市水や井水あるいは生産排水から超純水を製造し、生産設備に供給する装置である。本施設はイオン交換樹脂、逆浸透膜、脱気装置、UV照射装置などから構成され、これらの装置で水中の無機塩類、有機物、溶存ガス、金属イオン、微粒子などを除去している。半導体の高集積化に伴い、超純水の要求水質は上昇している。その達成のため装置構成が肥大化するとともに、構築・維持に要するコストも比例して増加してきた。近年ではそれに対する反省から、シンプルかつ高機能な高純水製造方法が模索されている。また省資源の観点から、排水の分別を可能な限り行い、超純水として再利用する努力がはらわれている。
 排水処理施設は、半導体製造過程で発生する排水を、放流先の排出基準値以下に処理する施設である。半導体製造工程排水は製造過程で使用する薬品類である、フッ酸・硫酸などの無機酸類や界面活性剤などの有機物を含んでいる。これらの処理のため、排水処理施設はpH調整設備・凝集沈殿処理設備・微生物による有機物分解処理設備などから構成されている。かつてはすべての工程から排出される排水を一括して処理する方式が主流であった。しかし最近では資源の回収、処理の効率化による省エネルギー・省資源の観点から、排水を分別化し、それぞれに適した処理を行う傾向にある。
 排気処理施設は生産設備排気を吸引し、生産設備内雰囲気の漏洩によるクリーンルーム内汚染を防止するとともに、排気中に含まれる有害な物質を除去するものである。したがって本施設は生産設備が必要とする風量・吸引圧力と、環境汚染防止施設としての機能を同時に満たす必要がある。また本施設と空調施設との風量バランスが崩れると、クリーンルーム環境の維持が困難になるため、常に相互の連動を留意した運転管理を行う必要がある。
 生産設備から排出される排気は、生産工程に応じて種々の物質を含有する。そのすべてを一括して処理することは不可能なため、排気は含有成分に応じて系統分けされ、それぞれに適切な処理が行われる。
 薬品供給・回収施設は、半導体製造工程において大量に使用するフッ酸・過酸化水素・IPA(イソ・プロピル・アルコール)などの薬品を集中供給し、かつ使用ずみの薬品を再資源化するために回収する施設である。供給する薬品はメーカーで製造され、ローリー車などから本施設に受け入れるが、その際に混入するおそれがある微粒子の除去フィルタが供給配管内に設けられている。集中供給する薬品は反応性に富むものが多く、施設を構築する際には成分溶出による薬品汚染のない部材を接液部に使用する必要がある。薬品の供給にはダイアフラムポンプのような機械的方法が採られる場合もあるが、故障時のメンテナンスが困難なために、最近では純度の高い窒素ガスで加圧し生産現場に送液する方式が主流になっている。
 バルクガス供給施設は、窒素・酸素・水素・アルゴンなど半導体製造に大量に使用されるガスを集中供給する施設である。バルクガスの供給には、メーカーから購入した液化ガスあるいは圧縮ガスを、気化・精製などの処理を行って供給する方式と、工場周辺にガスの分離精製装置を設置し供給するオンサイトプラント方式がある。現在窒素供給においては、オンサイトプラント方式が主流になっている。最近ではモノシランのような特殊材料ガスもカードル(シリンダ複数本を一体化した形態)で大量に供給される傾向にあり、バルク特殊ガスと呼ばれている。
 ドライエアー製造施設は、エアー駆動する生産設備やウェハ搬送の動力として用いる、乾燥しかつ清浄な空気を製造し供給するものである。

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