半導体用語集

低圧プラズマ

英語表記:IOW pressure plasma

圧力の低い条件の放電で生成されるプラズマの総称。低圧と高圧の間の明瞭な境界はなく、相対的な圧力の高低を示すために便宜的にその言葉が用いられている。ドライエッチングにおいては、平行平板型高周波プラズマに代表される数100 mTorr以上の圧力を高圧と呼び、ECRプラズマに代表される数10mTorr以下の圧力を低圧と呼ぶことが多い。高圧力では衝突の平均自由行程が短く、プラズマの拡散係数が小さく、電子温度が低い。一方、低圧力ではガス分子の密度が低くて拡散損失が大きく、それを補うために電子温度が上昇する。
LSIの微細化が進むにつれて異方性が高く、選択比が大きい工ッチングが求められてきており、低圧プラズマの重要性が高まっている。すなわち、従来の平行平板型RFプラズマは高圧力なので、シースで加速されたイオンがガス分子と衝突するため基板に入射するイオンの角度分布が広い。その結果、0.1μmのような小さな穴を深く掘ることは難しい。そのため、低圧力 (<20mTorr)において高密度(1011cmー3)の大口径(>40cm)のプラズマを生成する方式がいくつか開発されてきた。その代表的なものをあげれば、有磁場においてはECRプラズマとヘリコン波プラズマがあり、無磁場においては誘導結合プラズマと表面波プラズマがある。いずれの方式においても平行平板型と違って、基板へのイオン入射エネルギーはRFバイアスのパワーで自由に制御でき、イオンフラックスは放電パワーによって独立に制御できるのが特徴である。


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