半導体用語集
光スイッチング素子
英語表記:optical switching device
電気や光などの制御により、光の強度、波長、位相、偏波面などが急激に変化する素子を光スイッチング素子と呼ぶ。狭義には、極短パルス光を発生する素子のことをいう。
光スイッチング素子は、交換機などの電気信号処理のアナロジーから、空間分割型、時間分割型、波長(周波数)分割型の三つに分類される場合が多い。空間分割型とは空間的に光路を切り換える機能を持つ素子であり、電気や光制御により主に屈折率を変化させて光ビームを偏向する機能を持つ。代表的な素子としては2入力ポート2出力ポートの光スイッチがあり、これを行列状に多数配置することにより、多入力ポート多出力ポートのマトリックススイッチ、バンヤンスイッチが構成される。時間分割型では一時的に情報を保持する光メモリがあげられる。代表的なものとしては光双安定素子がある。また波長分割型では入出力間で光の波長や周波数が変わる波長変換素子、周波数変換素子などがある。光双安定素子や波長変換素子では半導体レーザをベースとして半導体材料の屈折率や利得(吸収)の光非線形効果を用いて機能を実現するものが多い。
光強度を変える素子としては、光変調器や光ゲート素子がある。これらは誘電体材料の電気光学効果、半導体材料のシュタルク効果、利得(吸収)などを用いている。また、光スイッチング素子には強度以外に光の偏波や位相を変える変調器もある。
短パルス光を発生する素子としては、半導体レーザの利得変化を利用するもの(利得スイッチ)、共振器内の媒質の吸収係数変化を用いるもの(Qスイッチ)、レーザの高周波同期を用いたものなどがあり、時間幅3~20ps程度の短パルスがえられている。これらは、時間応答波形が周波数スペクトルのフーリエ変換値と等しくなるTL(Transform Limited)パルスとなっており、理論極限まで狭い値が実現されている。さらに高速の光パルスを出す素子として、三次光非線形により光のスペクトル幅を大幅に広げるものも考案されており、1ps以下の極短パルスが実現されている。
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