半導体用語集

強誘電体膜

英語表記:ferroelectric film

 自発分極を持ち、その自発分極が外部電場によって反転する結晶相を含有する薄膜の総称。
 強誘電体を用いると、不揮発性、低電力、高工ンデュランス、高速書き込みなどの特徴を有する理想的な強誘電体メモリが作製できることから、ICカードなどへの応用が期待されている。
 強誘電体メモリに適した材料の条件として、大きい残留分極、高いキューリー温度、低い結晶化温度(成膜温度)、小さい抗電界、耐熱性・対環元性、少ない経時変化、分極に対する強誘電性の耐性があげられる。これらの条件を比較的よく満足する、 PZT(PbZrxTi₁-xO₃) 系とSBT(SrBi₂Ta₂O₉) 系の材料を用いた実用化のための開発が進められている。
 PZTはペロブスカイト型の結晶構造を持つ酸化物強誘電体で、ZrとTiの配合比を変化させることにより比誘電率、残留分極、キューリー温度などの値が変化する。主にスパッタリング法、MOCVD (Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MOD (Metal Organic Deposition)法、ゾルーゲル法で成膜されている。PZTの膜中からPbや0が抜けると分極反転電荷量が減少するので、これを防止する目的で、電極材料としてはPbやOに対する拡散バリア性に優れた、Ir/IrO₂、Pt/IrO₂が用いられている。
 SBTは、自発分極に寄与する八面体構造の疑似ペロブスカイト層が酸化Bi層によって挟まれた構造を有し、PZTと同様にスパッタリング法、MOCVD (Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MOD (Metal Organic Deposition)法、ゾルーゲル法で成膜されている。SBTは PZTとくらべ、電極材科に依存せず優れた膜疲労特性がえられ、低電圧書き込みができるという利点を持つ。
 PZT系、SBT系ともにH₂などの還元性雰囲気に弱く、圧電体でもあるために周囲から加わる応力によって特性が変化しやすく、SiLSIに集積する際の大きな課題となっている。

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