半導体用語集
携帯電話用LSI
英語表記:ISI for Mobile Telephone Terminal
携帯電話の歴史は古く,国内においては1979年の自動車電話によるアナログシステム(FDMA:Frequency Division Multiple Access,周波数分割多元接続)から始まり,現在のPDC(Personal Digital Cellular telecommunication system)やPHS(Personal Handy Phone System)などのデジタルシステム(TDMA:Time Division Multiple Access,時分割多元接続)へほほ移行した。ここ数年の技術革新の歩みは非常に急速で,実装技術やデバイスプロセスの進展,電池の高性能化により60cc台の超小型端末の実現や低消費電力化が促進され,世界の最先端技術を呈している。また,これら物理的革新だけでなく,データ通信,インターネットアクセスやプラウサ機能の追加など,新しいコンテンツ創造としてサーピスやソフトウェア開発にも拍車がかかってきており,今後モバイルマルチメディア端末としての比重が高くなると予想される。携帯電話の一般的ブロック図を図1に示す。高周波部は数10kHz~2GHz程度のアナログ信号を扱うプロックで,バイボーラトランシスタやガリウムヒ素(GaAs),Bi-CMOSデバイスなどが使用される。一方,べースバンド部については,マイクやレシーバなどの音響インタフェースを除きはとんどがCMOSデバイスで構成され,主なデバイスとして通信制御ならびに表示などを制御するマイコン,音声処理部を担当するDSP,チャネルコーデックやタイミング制御処理を行う専用ロジック(ASIC),各ブロックへの電源供給・電池監視・充電制御などを行う電源制御ICなどがあげられる。一般的に携帯電話用LSIとしては,べースパンド部のLSIを指すことが多く,これらのデバイスは個別デバイスから統合化デバイスへ,また,CSP(Chip Size Package)やMCP(Multi Chip Package)技術による小型デバイスへと急速に進んできている。べースパンド部における主な信号処理をあげると,高周波部からのアナログ受信データをデジタル信号に変換するデータ復調処理,高周波部への送信データをアナログ信号として変調するデータ変調処理,送信データの誤り訂正符号化/受信データの誤り訂正復号/CRC計算/並び換えを行うチャネルコーデック処理,制御情報や音声情報データの多重分離を行うデ・フレーミング処理,PCMデータの音声符号・復号化を行う音声処理,送信ならびに受信タイミングを制御するタイミング制御,基準クロック(TCXO:Temperature Compensated Crysta 1Oscillator)制御/無線周波数制御をするためのシンセサイザ設定/送信パワー制御などを行うRF制御,キー操作や表示部を制御するマン・マシンインタフェース,通信プロトコル制御などである。
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