半導体用語集

最大発振周波数

英語表記:maximum oscillation frequency

 トランジスタが損失のない発振回路で発振可能な最高周波数と定義され、通常fₘₐₓと表記される。ただし、無損失発振回路で発振するのは、トランジスタの電力利得が1以上の時であるため、入出力回路の整合をとった状態での電力利得である最大有能利得(maximum available gain)が1になる周波数と定義される方が一般的である。また、単方向利得(unilateral gain)も最大有能利得と同じ周波数で1になるので、単方向利得でfₘₐₓを定義してもよい。単方向利得とは、出力側から入力側へのフィードバックをなくした理想的な状態での利得であり、メーソンにより初めて導かれたため、一般にメーソンズ・ユー(Maison's U)と呼ばれる。単方向利得は高周波帯域において6dB/octaveで減少していくため、100GHzを超えるようなfₘₐₓは、この単方向利得を外挿することにより求められる。最大発振周波数fₘₐₓは、カットオフ周波数fᴛとともにトランジスタの高周波特性を示す指標としてよく用いられる。シリコンより移動度の大きい化合物半導体の採用と素子の微細化により、800GHzを超える値も報告されている。なお、一般にFETではゲート長を短くすると、fᴛ、fₘₐₓともに増加するが、バイポーラトランジスタでは、ベース層厚を薄くするとfᴛは増加するが、極端に薄くすると、ベース抵抗の増大によりfₘₐₓは低下してしまい、高いfₘₐₓの値をえるにはベース厚の最適化が必要である。

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