半導体用語集
GaAsMESFET
英語表記:Gallium Arsenide Metal Semiconductor Field Effect Transistor
Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体であるGaAsを用いた電界効果型トランジスタで、ゲート構造として金属-半導体接合(ショットキ接合)を用いたもの。1966年C. A. Meadによって提案された。GaAsは、電子移動度が室温でSiにくらべ5~6倍高く、素子寸法が0.25µm以下に微細化されると、Si以上に電子の速度オーバシュート効果が顕著になるため、高速・面周波素子に向いた材料といえる。またバンドギャップが大きいため、高出力素子用としても利用されている。ゲート構造が金属-半導体接合である主な理由は、Siのように界面準位の少ない良質な絶縁膜-半導体接合がえられないためである。MESFETの基本構造は、半絶縁性のGaAs基板の表面側にイオン注入、 もしくはエピタキシャル成長によって作られたn型GaAsチャネル層があり、その上にショットキ接合のゲート電極とオーミック電極であるソース、ドレイン電極がつけられている。動作原理は、金属-半導体接合からチャネル層内に伸びる空乏層をゲート電圧によって制御し、ソース・ドレイン電流を変調するというものである。n型不純物としてSiが主に用いられ、ゲート電極としては、Al、WSi、Ti、Moなどが用いられる。ソースおよびドレイン電極には、AuGe/Au、AuGe/Ni/Auを高温で合金化したものが用いられる。ゲート長0.5µmのGaAsMESFETは、カットオフ周波数ƒᴛが25GHz、最大発振周波数ƒₘₐₓが50GHz程度であり、他のGaAs系FETとくらべて、製作コストが安く、特性が安定しているため、高速用として10万ゲート規模のゲートアレー、高周波用として携帯電話や衛星放送用コンバータ用MMICに広く実用化されている。
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