半導体用語集
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
英語表記:Heterojunction Bipolar Transistor : HBT
エミッタ・ベース接合に半導体ヘテロ接合を用いたバイポーラトランジスタ。1951年にW. Shockleyによって発明された。バイポーラトランジスタのエミッタ接地直流電流利得βは、再結合電流が少ない場合、ベースからエミッタヘの正孔の逆注入によって決まるため、エミッタのn型不純物濃度とベースのp型不純物濃度の比に比例するのに対し、最大発振周波数fmaxは、近似的にベース抵抗の1/2乗に逆比例する。このことから、ベースの不純物濃度に関してβとfmaxのトレードオフが生じる。これを解決するため、エミッタ・ベース接合にヘテロ接合を用い、ワイドバンドギャップエミッタにすることで、ベースの不純物濃度をエミッタの濃度より高くしても電流利得を稼げることが、この素子の原理である。さらにベースの高濃度化によってベース抵抗を低減でき、ベースの薄層化が可能となり、ベース走行時間が短くなり、高周波動作が可能になる。高周波用には、移動度の高い電子が利用できるnpn型が用いられる。マイクロ波帯からミリ波帯に至る広範囲の周波数帯域における発振、高出力増幅、広帯域増幅用トランジスタとして用いられ、その高い電流駆動能力から、次世代高速通信用スイッチングあるいは次世代高速移動体通信用パワーデバイスとして期待されている。材料系としては、AlGaAs/GaAs、InGaP/GaAs、InAlAs/InGaAsなどが代表的である。またSi/SiGeヘテロ接合を用いたHBTも実用化されている。
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