半導体用語集
有磁場マイクロ波プラズマ
英語表記:magnetic field microwave plasma
マイクロ波と電磁界との相互作用によって生成されるプラズマを有磁場マイクロ波プラズマと呼ぶ。磁場がない場合、電子密度neのプラズマに周波数ωのマイクロ波を導入すると、プラズマ周波数=ωe (n2e/mεo) 1/2がωよりも大きいと、マイクロ波は反射されてしまい、プラズマ中へ導入することができない。こで、εoは真空の誘電率、mは電子の質量を表わす。しかし、磁場Bを印加すると、電子は磁カ線方向に対して右回りのラーモア運動を行い、電子サイクロトロン周波数ωc = eB/mで旋回する。ここで、eは電子の電荷である。たとえば、875ガウスの磁界では磁界の周りに、ωc = 2π・2.45 GHzで回転することになる。ここで、マイクロ波の周波数を2.45GHzとして、875ガウスより高磁界からマイクロ波を導入するとωc がωより大きいためにマイクロ波は透過し、弱磁場側へ伝播し、ω=ωc の共鳴層において急激に減衰して、マイクロ波のエネルギーが電子に与えられる。この減衰をサイクロトロン減衰と呼ぶ。共鳴点においては、電子は同じ周波数で伝搬しているマイクロ波によって加速されて高エネルギーをえて、反応性ガスを電離する。このような電子サイクロトロン共鳴を利用したプラズマをECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマと呼ぶ。ECRプラズマでは、低圧力領域において高密度のプラズマを生成することができる。最近、通常使用されている2.45GHzから500MHzへ周波数を低下することによって、電子サイクロトロン共鳴点における電子の回転半径を大きくし、共鳴電子と原子分子の衝突頻度を上昇させて、プラズマ中の電子工ネルギー分布を低エネルギー側にシフトさせることが行われている。高密度プラズマにおいて、使用する周波数帯を選択することにより電子工ネルギー分布がシフトし, 分子の解離の制御が可能となる。
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