半導体用語集

プラズマ源

英語表記:plasma source

容器の中にガスを導入して所定の圧力に保持し、電磁波を印加することによって放電が生じプラズマが生成される。主としてプラズマの生成を引き起こす装置がプラズマ源である。プラズマ源の中では、電磁波によって形成された電界が電子を加速する。加速されてあるエネルギーをえた電子が、ガス分子へ衝突すること(電子衝突)によってガス分子が励起ポテンシャルあるいは解離ポテンシャルへ励起され解離が生じる。この断面積を解離断面積と呼ぶ。解離によって、分子はラジカルや原子を生成する。さらに電子衝突などの過程によって電離してイオンと電子が生成される(イオン化)。イオン化過程におけるイオンの生成は、電子衝突による分子やラジカルに対するイオン化断面積によって決定される。プラズマの中では、イオン化および解離過程などによって生成されたラジカルや分子は振動励起状態になる。
希ガスをプラズマ源に導入した場合には、生成されたイオンや粒子は物理的な性質を示す。一方、反応性ガスをプラズマ源に導入してプラズマを生成させた場合には、反応性プラズマ過程によって化学的に反応性の高い多種多様のイオンやラジカルが生成される。
プラズマ生成に用いられている電磁波の周波数帯としては, MF帯(0.3~3MHz)、HF帯(3~30 MHz)、VHF帯(30~300MHz)、UHF帯 (300~3,000MHz)、SHF帯(3 ~30GHz)が用いられている。従来は、商業周波数として認められている13.56MHzの高周波や、2.45GHz のマイクロ波帯の二つが主として使用されていた。最近、超高周波と呼ばれる13.56MHzを超える周波数帯をプラズマの生成に使用する研究が活発に行われている。プラズマ源において、使用する電磁波の周波数帯、電磁波の導入方法、電磁波と磁界の印加方法によって、種々の形態のプラズマ源、たとえば、平行平板型、マグネトロン型 (たとえば、ダイポールリングマグネット型)、有磁場マイクロ波プラズマ型、ヘリコン波プラズマ、表面波プラズマ(SWP)、中性ループ放電 (NLD)などが開発されている。この他、電子ビームを用いてプラズマを生成する電子ビーム励起プラズマ源 (EBEP)も開発されている。


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