半導体用語集
マグネトロン
英語表記:magnetron
<p>低圧のガスの中で磁場に直交するように電界を印加することによって生成されたプラズマでは、電界に沿って電子が運動するのに対して運動方向に直角に磁場が印加されているために、ローレンツカにより磁力線を軸として電子は旋回運動を行う。この時、直交する一様な電界Eと一様な磁界Bが印加された空間において、速度vで動く電子は、-evxBのローレンツカを受け、evB=m2v2/γより、半径γ=mv/eBで表わされるラーモア半径にて旋回すると同時に、ドリフト速度v=EB方向へ並進運動する。このような円運動と並進運動との合成をサイクロイド運動と呼ぶ。</p><p>マグネトロンプラズマにおいては,平行平板電極を有したプラズマ装置において、平行平板電極に高周波を印加するとともに電極に平行となるように磁界を印加する。カソード電極においては、シースに強い電界が印加されており、この電界により電子はE×Bドリフト運動を生じる。すなわち、プラズマからシースに進入し、減速する電子やカソードへ衝突した正イオンにより発生した二次電子は、シース内ではサイクロイド運動し、旋回して反応性ガスと非弾性衝突してイオンやラジカルを生成するのと同時に、E×Bドリフト運動しながら並進運動していく。これにより、高効率でイオンやラジカルを発生し、高密度のプラズマが形成される。</p><p>マグネトロンプラズマでは高密度のプラズマが基板表面に生成されるために、反応容器壁との相互作用が小さいという点で優れている。しかし、E×B ドリフト運動により電子が一方向に偏るために、プラズマが不均一になることが問題である。これについては、 磁石を回転させることや、基板と平行に均一な磁石を形成するダイポールリングマグネットが開発され、均一なプラズマ生成が可能になり、エッチングプラズマ源に用いられている。</p>
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