半導体用語集

マグネトロンスパッタ

英語表記:magnetron sputter

 高周波スパッタリング法は堆積速度が遅く,電子衝撃によって基板温度が上昇するという欠点がある。そこで,ターゲット面に平行な磁界を発生ざせ,捕獲した二次電子を利用してイオン化を促進し,堆積速度を上げるマグネトロンスパッタ法が開発された。この方法は低温・高速スパッタ法とも呼ばれ,薄膜形成法の主役となっている。最も簡単な構成として,ターゲットを円板状とし,その裏面に磁石を装着した構造のものがあり,この場合,磁カ線がNからSへ終端する途中で必ずターゲット表面に平行な磁界成分がある。陰極表面からたたき出された二次電子は,ローレンツ力によってE×B方向に閉じた軌跡を描く。このように,磁場の影響で電子の寿命が長くなり,低い圧力でも大電流密度放電が可能となり,スパッタリング速度を著しく速くすることができる。金属では,数μm/時程度の膜堆積速度は容易にえられる。しかし電子をトラップするのに必要なターゲット表面に平行な磁カ線は全漏洩磁カ線のごく一部で,ターゲット面から垂直に出ている中心部と周辺部は浸食されず,ターゲットの有効利用率はせいぜい30%と非常に悪いという欠点がある。


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