半導体用語集

吸収体

英語表記:absorber

 X線マスクの重要な構成要素で、転写すべきマスクパターンを形成する重金属膜またはそのパターン。吸収体には、X線をよく吸収する(線吸収係数が大きい、すなわち質量吸収係数と密度の積が大きい)重金属材科のタンタル(Ta)やタングステン(w)およびその合金膜が用いられ、吸収体パターンは吸収体膜をエッチングにより部分的に取り除くことにより形成される。従来、 金パターンをメッキで形成する方法も用いられてきたが、LSIプロセスの金汚染の懸念から使われなくなった。
 中心波長が0.7nmの放射光に対するタンタルの大まかな線吸収係数μは、約3μm⁻¹である。マスクコントラスト (1/e₋µt) は、タンタルの膜厚 tが 0.65、0.5、0.35μmの時、それぞれ 7、5、3 程度になる。また、この領域のX線に対する平均的な屈折率は、約 0.999346 であり、透過X線の位相は遅れる。
 これらの金属の堆積には、RF(Radio Frequency)スパッタ、マグネトロンスパッタ、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタ法などが使用されるが、膜質としては密度が高くて、内部応力を発生させないようにすることが重要である。膜質形成温度やガス流量などの堆積条件に依存し、結果としての結晶性と大きく関係する。また、堆積した膜の応力を高温のアニールにより制御(緩和)する方法も提案されている。さらに、合金にすることにより応力の低減と膜質の均一化を図ることも報告されている。しかしながら、究極の吸収体材料はまだ決まっていない。

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