半導体用語集

海外進出

英語表記:extension to overseas

 日系半導体メーカーの海外進出の目的は、時代とともに変わってきた。日系大手半導体メーカーの海外進出の理由は、1990年代前半においては、貿易摩擦の回避、円高対策、需要立地など多くのエレクトロニクスメーカーと同様の要因であったと考えられる。日本の半導体メーカーは、前工程工場に関しては、基本的には自己の資金をベースとして、グリーンフィールドの海外進出を果たしてきた。
 しかし、この姿勢は、1990年代半ば以降変化してくる。米国TI社の合弁事業戦略を倣い、次々とジョイントベンチャーの設立に動くようになる。その目的は、DRAMなどのコモディティ量産品のリスクヘッジと、自社の投資負担を軽減するために、海外現地資本を導入することに他ならない。同時に、東南アジア諸国が海外資本の進出に対して提供していた恩典を利用することも大きな目的であった。
 具体的には、日立製作所は、Twin­star SemiconductorをTIと設立、シンガポールにも新日本製鐵、シンガポール政府とHNSを設立した。三菱電機は、台湾にPowerchip Semiconductorを設立した。また、その一方で、将来に高い成長が期待される市場を見据えた海外進出も増えてきている。NECの中国での半導体工場建設は、現地市場への足がかりを確保しようとした海外展開の好例であろう。

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