半導体用語集
無転位単結晶
英語表記:non-dislocation single crystal
有転位単結晶をIC製造に使用すると、キャリアの移動を阻止したり、pn接合部のリーク電流を増大させるなどの問題が生じる。そこで、現在のIC製造には、無転位単結晶が使用されている。シリコンの無転移単結晶はDashによるネック部成形技術により、容易に作れるようになった。例えばCZ法においては、融液に種結晶を浸した際に、転位が必ず発生する。この転位を除去するために、直径を小さくし、ある程度の成長速度を維持することで、成長界面の形状を融液に対して凸形にできる。これにより、結晶表面から転位を逃がし、無転位状態を作ることができる。シリコン単結晶の場合、一度無転位状態になると他の結晶くらべて、転位が発生しにくく、これが大口径結晶を量産ベースで作れるようになった最大の理由である。無転位成長を阻害する最大の要因は、成長界面にパーティクル(炉内のごみ、融液と石英るつぼ表面での反応で形成したクリストバライトの脱落、石英るつぼ肉中に存在している泡など)が付着することである。また、機械的な不具合(減圧炉であればリーク、機械的な振動)も程度によっては問題となる。また、無転位成長している単結晶は、外観でその認識が容易に行える。たとえば、成長軸<100>の無転位単結晶であれば、外周上に90°ごとに1本ずつの晶癖(seam)線が現れる。引き上げ中に転位が発生すると、この晶癖線が消滅するので、その場で判断が可能である。また、成長軸<111>の無転位単結晶では、外周上に120°ごとにファセットと呼ぶフラットな面が出現するので、これで転位の判断が可能である。
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