半導体用語集
結合量子箱構造
英語表記:coupled quantum box (dot) structure
電子(または正孔、その両方、あるいは光の場合もある)の運動量を三方向から閉じ込めることによって、離散的な状態密度を示す構造を量子箱(「量子ドット」、「低次元量子構造」の項参照)と呼ぶが、このような量子箱を複数個結合した構造を結合量子箱構造という。電子の波動性、多体効果が顕著に現われる量子箱を人工原子と呼ぶことがあるが、電子が相互に行き来する結合量子箱構造は人工分子と呼ぶこともできる。分子的な結合状態を作ることにより、自由度の高い量子状態を作ることができるとともに、空間的に分離された状態の重ね合わせからできているために、人為的な制御が容易であるという特徴がある。たとえば、電子に対する量子箱を2個結合した結合最子箱に電子1個を入れる場合を考えると、古典的描像では電子はA、B二つのドットのどちらかに入ると考えられるが、量子力学的にはどちらに入っているのかを特定できない重ね合わせ状態を実現できる。このような波動性の制御の可能性から、結合量子箱構造は量子ロジックゲートや量子計算ヘの発展性が期待されている。
関連製品
「結合量子箱構造」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「結合量子箱構造」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。