半導体用語集

結晶配向性

英語表記:crystal orientation

多結晶薄膜における集合組織としての結晶軸配向の統計的性質を意味する。一般に多結晶薄膜においては、各結晶粒が柱状成長する場合があり、その場合には下地膜表面の結晶構造が薄膜の結晶配向性に大きく影響する。典型例とて、Ti/TiN/Alの積層構造では、下地Tiの(211)配向度が高いと、TiNおよびAlの(111)配向度が高まることがよく知られている。
これは下地膜との格子ミスマッチを小さくするような構造を上層膜が取りながら成長するためと考えられる。なお、結晶配向度とエレクトロマイグレーション配線寿命 (EM MTF) とは正の相関があることが経験的に知られている。Vaidya達はEM MTFはI (111) /I (200) の対数に比例することを報告している。立方晶の場合には表面エネルギーは (111) 面で最も低く、一般には (111) 配向しやすい傾向がある。しかし薄膜は不純物、粒界、 その他の欠陥を多く含むため、多結晶でありながら (111)面の基板表面に対するずれ角を1度以下に保つことはかなり困難である。


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