半導体用語集

ヒロック

英語表記:hilloCk

金属薄膜表面に形成された丘状の突起物。大別して、薄膜堆積時に形成されるものと、熱処理時に形成されるものとの2種類がある。薄膜堆積時に形成されるヒロックの成因には堆積時に基板温度が上昇することによる熱応力発生あるいは不純物混入の影響があり、また熱処理後にできるヒロックの成因は熱応力による応力緩和である。
一般に金属膜は基板よりも熱膨張係数が大きいため、室温にて応力が小さくとも、熱処理時に金属膜が膨張し、薄膜には強い圧縮性の熱応力が発生する。この応力が弾性限界応力を超えた時に、応力緩和の一形態としてヒロックが形成される。多結晶金属薄膜においては、多結晶粒界構造に依存した微視的な応力分布が形成され、これにより生じた不均一な原子拡散流がヒロック形成の主要因と考えられている。ただし、ヒロックには、基板と薄膜との界面より成長するもの、ある結晶粒のみが成長した結果できるもの、薄膜表面に積み重なる形で新たな結晶粒が成長するもの、など薄膜の形成方法および材料に依存した様々な形態があることが知られており、その機構には不明な点が多い。


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