半導体用語集

配線信頼性

英語表記:reliability of interconnections

<p>LSIの配線は微細化の進展とともに重要性を増してきた。その主要因には微細化によりAlやCuなどの金属配線に流れる電流密度および熱応力が増大してきたことがあげられる。信頼性不良の機構には、電流による方向性原子拡散現象であるエレクトロマイグレーション(EM)、熱応力により引き起こされる原子拡散現象であるストレスマイグレーション(SM)、および熱処理時に形成されるヒロックおよびホイスカ形成などがあげられる。いずれの不良現象し主配線材科であるAlやCuが多結晶薄膜であることと密接な関係がある。すなわちEMや SMによる断線不良現象は、多くの場合結晶粒界に沿ったボイド形成・成長の結果引き起こされる。薄膜の膜質 (多結晶集合構造、不純物、合金、力学的性質など)と配線信頼性とは密接な関係があることは多方面からの研究で明らかとなっている。
</p><p>主配線材の技術推移を以下に概説してみよう。ICの勃興期には真空蒸着による純Al配線が主配線材料に用いられた。純AlはSiを高温にて固溶するため、400℃程度の熱処理後に Al/Siコンタクト部分にジャンクションスパイクを形成することが1970年代に間題化した。その対策としてAl に1~2%程度のSiを混ぜたAl-Si合金配線が使用されるようになった。Al-Si配線はジャンクションスパイクのみならず、ヒロック耐性およびEM 耐性においても純Al配線よりも優れた特性を示した。</p><p>また相前後して、堆積方法も合金堆積により適したスパッタ法が採用された。配線寸法の微細化で最小線幅が1μm程度となってくると、今度は逆にコンタクト部分へのシリコン析出による高抵抗化が問題となった。そこでAISi配線へのSi混入率を下げ、またWN、TiNなどの拡散バリアメタルをAlSi配線とSi拡散層との間に挟む技術が採用された。</p><p>さらなる微細化において、1985年頃には電流ストレスがなくとも長時間の放置で断線が生じるストレスマイグレーションが問題化した。その対策として、AlSi配線へのCu添加,および高融点金属とAlSi配線の積層配線が採用された。なお1980年以降にスパッタ装置の高真空化が促進され、高真空化とともにAl膜中の不純物が減少し、信頼性も高まった。またさらに、1998年よりAl合金配線よりも低抵抗・高信頼な新配線材科としてCu配線が導入されるに至った。</p>


関連製品

「配線信頼性」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「配線信頼性」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。