半導体用語集

芳香族炭化水素

英語表記:aromatic hydrocarbon

Parylene-N(poly (p-xylylene))やParylene-NのCを終端しているHをFで置き換えた構造を持つ、Parylene-F(poly(p-tetrafluoroxylylene))があげられる。CVDで成膜される代表的な有機高分子膜である。Parylene-NのCVD成膜のプロセスステップを以下に示す。
(1)気化器 (vaporizer)を用い、原料であるParylene-Nを50℃程度の加熱により気化しParylene-Nの二量体であるdi-p-xylyleneを生成。
(2)分解器(pyrolizer)にてdi-p-xylyleneを600℃程度に加熱することで、クラッキングを起こさせ、反応性の高い単量体p-xylyleneを気相中に形成。
(3)p-xylyleneをCVD装置内の基板上に導くことで、基板表面で多量化が起きポリマー(polymer)が形成される。この時、基板温度が高いと膜が成長しない。基板温度を30℃以下にする必要がある。図1に前述の、 CVD中での分子構造変化を示す。Parylene-Fも同様にCVD成膜できるが、原料の気化温度およびクラッキング温度をそれぞれ80℃から100℃、700℃程度と高くする必要がある。また、基板温度は逆に室温以下に冷却する必要がある。Parylene-Nは比誘電率2.6程度と低いが、熱安定性に乏しく窒素雰囲気中で420℃以上の熱処理により分解する。 Parylene-Fは、比誘電率2.4程度で、熱分解温度は500℃以上と高い。このため、層間絶縁への適用検討にはParylene-Fが多く用いられている。


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