半導体用語集

表面平滑化

英語表記:surface smoothing/flattening technology

 シリコン表面の平坦化(平滑化)は、反転層モビリティの向上、酸化膜の信頼性向上という点において、極微細素子ではきわめて重要になりつつある。基礎研究を行う平滑化表面としては、(111)面がよく使われる。(111)面における平坦化に関しては、バッファドフッ酸、溶存酸素を抑えた超純水処理、沸騰超純水処理などによって、再現性のあるモノハイドライドで終端された平坦な表面がえられるようになってきた。しかしながら、(100)面に関しては、原子オーダで平坦な界面をえることは難しい。実際の薬液処理では溶液中に含まれるOHイオンが、シリコン表面を異方的にエッチングして(111)面を残すように働くことによる。このことによって、(111)面で平坦な表面がえられるが、(100)面上でこのことが起こると、(111)方位のマイクロファセットからなるエッチピットが発生し平坦性が損なわれることになる。このことを考慮して(100)面での平坦化を実現するためには、OH⁻イオン濃度をできる限り減らしたフッ酸系の溶液を用いる必要がある。そこで、かなり界面は平坦と思われる厚膜の熱酸化膜を、HF:H₂O系ではなく、HF:HCl系でエッチングすることで、Si (100)上に単原子ステップが観測されることが報告されている。(100)面においては、超高真空中(UHV)で高温瞬時加熱処理を施すことで自然酸化膜を除去し、さらに基板表面のSi原子を再配列させることで、Si(100) -2x1清浄表面構造がえられることが知られている。また、UHV中ではなくH₂中で1,200℃程度の高温でアニールすると、ステップ構造を伴う原子レベルでの平坦化界面がえられる。いずれも工業的な意味でのデバイスプロセスでの使用には難しい。原子レベルでの平坦化といわない場合には、厚膜酸化膜を形成することで初期表面によらずに、ある平坦さに落ち着くことが報告されている。これはある程度酸化が進んでしまうと初期界面の影響はなくなってしまうことを意味する。最近、マイクロ波放電で形成した酸素ラジカルを用いた酸化膜において、断面TEMで観測する限り、原子レベルで平坦な界面がえられていることが報告されている。この平坦化機構に関する詳細はまだ不明であるが、事実であれば、酸化機構を含めた基礎研究においても工業的な意味での技術としても大きな意味がある。

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